2012年12月10日月曜日

SiN Episodes: Emergence -エピソード配信は最終話の夢を見るか?

75%OFFになった時に購入しておいた「SiN Episodes: Emergence」
エピソディック形式の第一章ということもありボリュームは少なく、3時間ほどでサクッとクリア。
1998年に発売されたSci-Fi FPS「SiN」の続編ということらしいが、そちらのほうは未プレイ。
ちなみに今作を買うと旧作も付いてくる。




ゲームの舞台は近未来の地球、「ハード・コープス」という名の特殊警察に所属している主人公ジョン・ブレードが、麗しき遺伝工学者エレクシス・シンクレア率いる「SiN TEK」社との戦いを描いた前作のまま、まだ両者の戦いは終わっていないという設定らしい。
物語の冒頭からブレードがシンクレアに捕まっている状態で始まるのだが、前作をやっていない身としてはなぜこういうことになっているのかさっぱりわからず、話も前作をやっていること前提で進んでいくので、ちゃんと話を知りたい人は今作をやる前に前作をプレイする必要があるようだ。
今作は日本語化MODがあるので話の流れはわかるものの、前作はそういう類のものは存在せず、英語力がない人がやったところで話がわかるかは不明だが・・・

ゲーム内容はオーソドックスなスタイルのB級FPS、ただひたすら撃って前に進むだけ。
古臭いと言われればそれまでだが、装飾過多なスクリプトでイベントシーンを延々と見せられたりすることもなく、無駄に頭を捻らされるようなパズルがあるわけでもなく、ただ目に入ったものを全て撃っていくだけ、こういうシンプルなFPSが好きという人は少なからずいると思う。
シンプルだが面白いと感じるのは、ゲームバランスがほど良く出来ているからだろう。
主人公がアメコミの様な世界観に合うマッチョな男で、少しの銃撃じゃビクともしないタフネスさを持っているうえに、初期武器のハンドガンでもそれなりに戦えるほど敵が弱く設定されている為、テンポ良く戦闘を進められる。
もちろん進むにつれて敵は強くなっていきハンドガンだけでは対処しきれなくなってくるが、早い段階でショットガンとアサルトライフルを手に入れるので問題はない。
持てる武器は三種類と少ないが、敵とロケーションが豊富で飽きさせない工夫がなされているので、プレイ時間の割には密度の濃い体験が出来るのだ。

とはいえ褒められるものばかりではない。
寧ろプレイしていると細かい粗のほうが目立つ。
敵も自分も撃たれた時の反応が鈍い為、自分が撃った弾が当たっているのかわかりにくいし、敵が撃ってきた時も弾が飛んできた方向が赤く表示されるだけで、乱戦時はHPを見てる余裕は無いのであっさりと死ぬ。HPが20以下になると視界が赤くボヤケるなどしてくれたほうがありがたかった。
システムと同じようにストーリーも古臭く、予想を裏切られるようなシナリオもないまま進んでいく。
敵のAIもお馬鹿というわけではないが、主人公を見かけたらとりあえず撃ってくるという感じで、中ボスのような敵も出てくるが、敵を中心にグルグル回りながらショットガンを撃っているだけで勝てるのは味気ない。B級FPSらしいっちゃらしいのだが、もう少し工夫すればもっと楽しい戦闘になれた筈なのだが・・・
余計なものを削ぎ落した作品は、残した芯の部分をしっかりと作りこまないとボリューム不足の駄作になってしまう。
シンプル・イズ・ベスト、故に誤魔化しが効かないのだ。


Souce Engineを使用しており動作は軽い。
グラフィックは発売した年を考えれば及第点だが、同じエンジンを使用しているHalf-Life2に比べると劣って見えてしまう。これは単純にValveが凄いだけなのかもしれないが。

全三部作構想で、実際に販売されたのはこの第一章のみ。
前にレビューを書いた「Hydrophobia:Prophecy」も発売前にはエピソディック形式にすると発表があったものの、売上が芳しくなかったせいでスタジオが閉鎖されるという憂き目あっている。
今作を制作したRitual Entertainmentもこれを出した後に続編のアナウンスもなく大規模な開発者達の退社がおこり、後にMumboJumboというカジュアルゲームを作っている会社に買収されている。
制作費が足りなくなってきたので当座をしのぐつもりでエピソディック形式にしたのかもしれないが、作ったのであればちゃんと最後までやってほしいものである。

値段は$4.99、Legendaryと同じくセールを待って買ったほうがいいと自分は思う。

SiN Episodes: Emergence - Steam

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