2013年3月21日木曜日

METAL GEAR RISING REVENGEANCE -思ったよりキレていない

日本では2013年2月21日発売。
元々PS3とxbox360のマルチだったが、日本のみxbox360版が諸事情により発売中止になった。
しかし、海外版であるアジア版、北米版共にリージョンフリーで日本語字幕が入っており、xbox360しか持ってない人はそちらを選ぶといい。
自分はMETAL GEARシリーズが大好きなので、コナミスタイルにて「PREMIUM PACKAGE コナミスタイル特別版」「斬奪 PACKAGE」を予約購入。「何で2つ買ったの?」とは決して聞いてはならない。おじさんとの約束だ。

斬って奪う、それが「斬奪」

右腕、左腕と切り離し、身体を十字に切るだけでは飽き足らず、時間が続く限りサイボーグ“だったもの”を縦横無尽に切り刻んでいく。これだけ聞くと、「ああ、○○のパクりじゃないか」と思う人はいるかもしれない。本作はそのような安直な考えを吹き飛ばすほどの爽快な要素が組み込まれている。それが斬奪モードと呼ばれる“自由切断”だ。

自由切断はFC(燃料電池)を使用し発動する。FCがあればいつでも発動する事が出来るのだが、毎回好きなように切り刻むことが出来るわけではない。敵にはアーマーが設定されており、トレーラーにあるように細切れにするにはそのアーマーにダメージを与えてからでないといけないのだ。
しかし、本作には「シノギ」というシステムが存在し、それを上手く活用する事でアーマーを気にせず斬奪出来るようになる。
シノギとは、敵が攻撃をしかけてきたタイミングで敵方向に左スティックを倒し、弱攻撃(PS3版だと□ボタン)を押すと発動出来る。敵の攻撃が当たる瞬間にシノギを成功させると、雷電は自動的にカウンターを放ち、そのカウンターが当たれば敵は確実にピヨる。そのピヨった敵に近づくと特定のボタンを押すように表示されるので、その通りに押せば雷電が格好良く敵を斬るカットシーンが入り、最後にはすぐに敵をバラバラに出来る斬奪モードに入るのだ。
最初はこのジャストタイミングでのシノギを成功させるのは難しいかもしれない。
しかし、この修行を乗り越えた先には今まで経験した事のない爽快感が待っているだろう。

引き継がれなかった、METAL GEARのMEME

元々本作は、雷電を主人公としてMGS2と4の間を埋めるゲームとして小島プロダクションで開発されており、METAL GEARの生みの親である小島秀夫自身はプロデュースに専念し、開発自体は若いスタッフに任せるという話だったのだが、長い開発期間をかけストーリーは出来ていたもののゲームの核となる部分で満足いくものが出来ずプラチナゲームズに協力を仰ぐ事となった。
小島プロダクションが世界観の監修とカットシーンのディレクション、それ以外をプラチナゲームズという役割分担みたいだが、ちゃんと小島プロダクションはちゃんと自分たちでシナリオを考えたのだろうか?ここもプラチナゲームズに任せっきりだったのではないだろうか?
そう考えてしまうほど本作のシナリオは薄い。

METAL GEARシリーズでよくやり玉に上げられるのがムービーの長さとシナリオの説教臭さだ。
「ゲームよりも映画を見ているようだ」「核反対戦争反対の物語は飽きた」等々、METAL GEARは新作を出す度にこのような批判が出てきていた。
自分はこの演出は結構好きで、緻密に設定されたキャラクターを深く掘り下げるためのムービー、何故自分が戦わなければならないのかという悪を悪として描く為のシナリオはMETAL GEARにはなくてはならない存在だと思うのだ。

だが本作はどうだ。

戦う理由が乏しく、ただやられるためだけに出てくるようなボス達は、「あくまでこのゲームの売りはアクション部分でありシナリオはおまけ」と言われているかのようだ。
ギリギリまともと言えるのはサンダウナーとサムくらいで、他は雷電の痺れるアクションシーンに華を添えるだけの存在に過ぎない。
見た目にインパクトがあろうが中身がスカスカなら、少し見た目が違うだけの雑魚と何ら変わらないのだ。
METAL GEARらしさを残しつつド派手なアクションゲームを作ろうとしていたプラチナゲームズの心意気をブチ壊したのが小島プロダクションというのは何とも味気ない話だ。

総評

たまに暴走するカメラや、ラスボスが一番つまらないなどアクションゲームとしての欠点は幾つかあるものの、敵を切り刻むのがこれほど爽快なゲームは他に見当たらない。
「小島監督最高!METAL GEAR最高!」というようなMETAL GEARフリークに勧めることは難しいが、“プラチナゲームズがMETAL GEARを題材とした二次創作をしたらこうなる”という感覚でプレイすると気軽に楽しめる良作ではある。
最初からプラチナゲームズとタッグを組み長い時間をかけ開発をしていれば、小島プロダクションのファン、プラチナゲームズのファン両方から支持される傑作が生まれていたかもしれないと思うと、残念でならない。
それほどのポテンシャルがこのゲームには眠っている。

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