2013年7月5日金曜日

OUYA -理想と現実に揺れる

始めはkickstarterに載せられた一つのプロジェクトに過ぎなかった。
それがkickstarter史上類を見ないレベルで大成功を収めた。それからOUYAは一大プロジェクトとなった。
元Infinity WardのRobert Bowling率いるRobotokiが2015年発売予定のHuman Element、その前日譚をOUYA専用タイトルとして配信すると宣言した。
スクウェア・エニックスはFF3をOUYAに最適化して発売すると発表した。
OUYAの成功は誰の目からも明らかだ。大手ゲームサイトもこぞって「次世代xbox、PS4、そしてOUYA、次世代を制するのはどのゲーム機か」などという記事を書いた。
次世代機の中で一足お先に2013年6月25日発売となったOUYA。
果たしてPS4やXbox Oneと肩を並べる存在となりえるのか…

4月に予約して今か今かと待ち続けた存在。6月25日にローンチされ、無事7月1日に自分の手元に届いた。
公式で予約したのに発送始まったのが28日で遅れた理由が「配送会社のせい」と言い始め、一企業の姿勢としてあまり良い印象を持てなかったのだが、一応届いたので良しとしよう。次遅かったら許さん。

自分は本体のセットとコントローラー単品で一つ注文したので送料込みで170ドル、約1万7千円。
本体は今まで公式で公開されてきた写真を見て分かるとおり、本当にルービックキューブサイズ。
コントローラーはxbox360に影響を受けている感じ。かなりチープな造りだ。
箱の中には他にHDMIケーブル、ACアダプタ、単三電池2個、説明書が入っていた。

ちなみにコントローラーは銀色の部分が取り外せるようになっており、ちょうど左右のグリップの部分に電池を入れる。ちなみに何故取り外せるのかというとこの部分を着せ替えて自分好みのコントローラーとして使ってほしいからとのこと。しかしこれは初期xbox360のフェイスカバーと似た匂いがする。同じ末路を辿りそう。
起動させるとOUYAのロゴと共に野太い声で「ウーヤー!」という叫び声が。
その後インターネットのセットアップ、そしてすぐにアップデートが始まった。
なぜか最初はエラー吐いたのだが、やり直すとすんなりと出来た…一体何だったんだ。
アップデートが終わるとすぐにクレジットカードの設定をさせられる。基本無料だから購入する時でいいと思うのだが…
MANAGE→SYSTEM→ADVANCEDからAndroidの設定を開くことが出来る。そこから日本語を選ぶことも出来るが、OUYAのホーム自体は日本語対応していないのであまり意味がない。
一部ゲームをプレイする時に言語が日本語になるくらいか。FF3も日本語になる。


とりあえず「FF3」「Shadow Gun」「Chrono Blade Demo」「Canabalt HD」「TowerFall」を遊んでみた。
FF3はDSで3Dリメイクされ、それをスマホに移植したものを更にHD画質に耐えられるように最適化したもの。
まぁ、FFなので普通に遊べる。価格は15.99ドル。まだ購入はしてない。

Chrono Blade Demoはその名の通り体験版。OUYAはFree to Playの精神を掲げており、ゲームを購入する前にとりあえず体験版を遊んでもらい気に入ったら買ってもらう、という販売方式だが、それとは別に単純に未完成の体験版だった。3Dのベルトスクロールアクションで、コンボを繋げていくのが中々面白い。しかし自キャラの体力が低いのか敵の攻撃力が高いのか分からないが、中ボスのような敵にすぐ殺される。ガードとポーションを駆使すればいいのだろうけど、まだ制作途中だからかfpsが安定せず気付いたら吹っ飛ばされてることがしばしば。正式にリリースされたら買う予定。

Canabalt HDは昔FLASHで一部の人に流行ったCanabaltがHDグラフィックになってリプレイ要素を追加しただけ。タイミング良くボタン押すだけのゲームなのでカジュアルゲーム機であるOUYAとの相性はいいのかもしれないが、テレビでやる必要性を感じない。

TowerFall、4人まで参加可能の弓矢を使った対戦アクション。OUYA専用ということで少し話題になった。
ドット絵の雰囲気は良いものの、操作性が悪いのが難点。左スティックで移動と照準を合わせるのを一緒にしてほしくなかった。何の為の右スティックなのか。左スティックで移動し、弓を引いている最中はまた左スティックで狙いを定める。もちろんその時は移動は出来ない。トレーラーのように縦横無尽に動き回るにはかなりの練習が必要なようだ。
ちなみにこのゲーム、xbox360とPS3のコントローラーに対応している。xbox360の有線コントローラーを挿して試してみたが、ちゃんと動いた。ゲームによってはこのようにOUYA専用コントローラーをもう一つ買わなくても友達と一緒に遊べる工夫がしてあるようだ。

最後にShadow Gun、これが最悪の出来だった。スマートフォンで人気の作品をOUYA用に調整した作品だと思っていたのだが、操作をただコントローラーに対応しただけの駄作。タッチパネルで操作したほうが絶対に良い。
OUYAが一番売れたのはアメリカだろう。早く手に入れたのもやはりアメリカのはずだ。そしてアメリカ人がゲーム機を買ったら何をプレイするか?そう、FPS/TPSだ。Shadow Gunはそういうユーザー向けの分かりやすいOUYAの餌だったはずだ。実際グラフィックはプレイしたゲームの中で抜群に良い。“とりあえずやってみるか”と思った人はかなり多かったのだろう。
そしてShadow Gunをプレイした弊害としてOUYAにこんな噂が流れるようになった。
「コントローラーの反応にラグを感じる」
実際触った人なら分かると思うのだが、OUYAのコントローラーを使用していてラグなんてものはほぼ存在しない。「無線だからラグが〜」なんて言ってる人はちゃんちゃらおかしい。自分が持ってるxbox360やPS3やWiiのコントローラーは無線ではないとでも言うのだろうか。これだけ規模の大きいプロジェクトになったOUYA開発者達がその辺りを考慮しないわけがないだろう。
まぁ、なんだ。話がずれたがShadow Gunは絶対にやってはいけない駄作だってことだ。


結論から言わせてもらうとOUYAは訴求力に欠ける商品だ。

カジュアルゲームをリビングでプレイすることを目標としたゲーム機だが、大型テレビが安く買える今の時代、その大きいスクリーンでプレイするに耐えうるゲームが皆無なのが厳しい。
OUYAに搭載されているTegra3は消費電力などを気にせず思いっきり回せばPS2以上のグラフィックは実現出来る筈なのだが…
今のところコアゲーマーにもカジュアルゲーマーにも買う理由が見当たらない。
もっとOUYA専用タイトル、もしくはテレビでプレイするに値するタイトルが出てくれば「スマホの小さい画面でゲームなんか出来ないよ」というコアゲーマーに愛される存在になるかもしれない。
もし“なんとなく”欲しいと思っている人がいるのであれば、まだ買うのはやめておいたほうがいいだろう。
Double Fineの新作や、前述したHuman Elementの前日譚が配信されてからでも買うのは遅くないはずだから。

OUYA - 公式サイト

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